むくみについて

むくみ(浮腫)とは、血液中の体液が血管外に濾出するなどして、皮下組織に水分が過剰にたまった状態を言います。
大きく、全身性のむくみと局所性のむくみに分けます。全身性浮腫には心臓性、腎性、肝臓性など、局所性浮腫には静脈性やリンパ性などがあります。 全身性では原疾患の治療が必要ですが、女性特有の特発性浮腫などは一般的な内科的治療の対象とはなりません。局所性浮腫は見た目は元気ですが、むくんでいる脚や腕に一般的な考え方では対応しにくい症状が認められます。
このHPでは、一般内科的には取り上げられない浮腫や局所性浮腫、とくにリンパ浮腫を中心に取り上げます。
リンパ浮腫は乳癌や子宮癌の術後などに見られる事の多い、主に一側だけの腕や足のむくみです。2008年4月の弾性スリーブ・ストッキングの保険適用以来かなり知られてきましたが、一次性リンパ浮腫における保険適用がないこと、弾性着衣以外の治療に関しても保険適用がないこと、さらには、その治療を行う資格とその教育システム自体が確立していないことなど、まだ十分な環境が整ったとはいえません。このHPは、リンパ浮腫を広く知って頂くと同時に、現状をさらに改善したいとの思いから開設しています。術後リンパ浮腫を発生しやすい、乳癌・子宮癌などの手術に携わる外科系、婦人科系の医師の方々にもご一読頂ければ幸いです。

リンパ浮腫治療のポイント

*弾性スリーブ・ストッキング(弾性着衣)着用の際、腕や脚の付け根などで食い込まないことが大変重要です。「弾性スリーブ・ストッキングが合わない」のではなく「着用の仕方がうまくいっていない」ケースが大変多くみられます。「合わないから新しい弾性スリーブ・ストッキングを買う」のでなく、手持ちの弾性スリーブ・ストッキングをうまく利用することを試みましょう。
*炎症(蜂窩織炎)やほかの疾患の場合も、リンパドレナージなどのリンパ浮腫の治療を一生懸命行っても良くなりません。その意味で、リンパ浮腫の治療のもっとも重要なのは「正しい診断」です。正しい診断の下で、「必要最小限の治療」をされることをお勧め致します。
*二次性(術後)リンパ浮腫は腕や脚の付け根から始まります。特に、下肢の場合は陰部にむくみがでることがありますが、初期に対応することが大切です。また、初期に対応すればそれほど心配はありません。
*むくみはその時その時移動しています。圧(重力と弾性着衣)のかけ方ですぐに変わります。はじめは鼠径部にあったむくみも徐々に下の方に落ちていき、いわゆる”脚のむくみ”になります。その意味で、脚全体のむくみとして考えて対応しましょう。逆に”この部位のむくみは取りたい”ということもあります。

リンパ浮腫治療の予防について

2008年リンパ浮腫の発症予防に関して「リンパ節郭清の範囲が大きい乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がんの手術後にしばしば発症する四肢のリンパ浮腫について、その発症防止のための指導について評価を行う。」 との 決定がなされました。このことは大変嬉しいことで感謝したいと思いますが、一方で予防のために何をすると良いか、については現在のところ具体的には記載されていませんので、十分な注意が必要です。
手術をしたすべての方がリンパ浮腫になるわけではないので、発症予防目的のためのリンパドレナージや弾性スリーブ・ストッキング(または弾性包帯)着用の施行については十分な配慮が必要です。予防目的で安易に弾性スリーブを着用するとかえって手がむくむこともありますし、セルフリンパドレナージを行うのはややもすると、「やらなければむくむ」という強迫観念に近いものが生まれがちです。複合的理学療法はリンパ浮腫が発症した後における対処法です。
 つい何か積極的に見える治療を行いたい誘惑にかられますが、無駄のないよう、あくまで、主治医の先生や医療関係者の方ともご相談の上、何が必要かを判断した上で予防をされることをお勧めします。(2008.2.24)
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