むくみのページ
広田内科クリニック
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リンパ浮腫の治療
はじめに ―リンパ浮腫とは―
リンパ浮腫の出来かた
リンパ浮腫の治療
 1:挙上
 2:運動
 3:マッサージ
 4:水中での軽い運動
 5:弾力ストッキングの着用
 6:蜂窩織炎が起きた場合
 7:減量
 8:薬物療法
 9:外科治療
 10:複合的理学療法
 11:1日の治療スケジュール
経過観察のための指標
治療を成功させるために

学術的視点から
 <機関紙ながれ抜粋>

リンパ浮腫以外のむくみ
 <女性特有のむくみ>

弾性ストッキングのオーダーメイドと弾性包帯の考え方

リンパドレナージュ
 <リンパマッサージ>

弾力ストッキングの選び方
リンパ浮腫関連リンク
リンパ浮腫診療における法律関係
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リンパ浮腫の治療

3)マッサージ

A.手で行うマッサージ 

リンパ管の動きを活発にするには、自分自身で動かす他に、いわゆるマッサ−ジも効果があります。(前項の動かすことは生活の中でできるマッサージとも言えます。)
 マッサ−ジは足または手の先端から付け根(心臓に近いほう)に向けて行うのがより効果的ですが、順序としては、まずそけい部(脚のつけ根)、または腋の下のマッサ−ジが重要です。
 なぜならリンパ浮腫の出来かたで説明した通り、特に二次性リンパ浮腫ではそけい部または腋の下のリンパ節を切除してあり、この部分のリンパ液の流れが悪いことが根本的な原因となっていますから、その部分のリンパ液の流れを良くしてあげると当然全体のリンパ液の流れは良くなります。
 逆に、その部分の流れが悪いままでリンパ節までのリンパ管の流ればかり活発にしますと、リンパ液はすべてそけい部または腋の下のリンパ節の手前で溜まってしまい、かえって流れが悪くなってしまうことがあります。
 従って、まずそけい部または腋の下の部分を中心部(心臓)へ向けてマッサ−ジし、その上で、全体のマッサ−ジを行うことが大切です。さらにリンパマッサージの基本から考えると、リンパ管が最終的に静脈に合流する左鎖骨上窩から始めるとされていますが、ここでは省略します。
 二次性リンパ浮腫では、下肢なら下腹部、臀部、腕なら肩、腋の下、胸にもむくみが広がっていることがあり、その部分のむくみの排除も必要となります。特に手術した部分の付近は硬くなり易いので、入念にマッサ−ジをして軟らかくします。
 リンパ浮腫のマッサージでは一般的なマッサージとは異なり、軽く擦るように行います。皮膚表面をずらすような感覚で、ゆっくり優しく行います。
 マッサ−ジは一日3回朝、昼、夕、15分〜20分ずつ位が適当です。特に入浴後など暖まり、血管が拡張している時がより効果的です。


リンパ誘導マッサージ (リンパドレナージ)

上肢の場合、浮腫のない健側の腋の下と、患側の脚の付け根(そけい部)にリンパ液を誘導します(症状により、誘導部位が脚の付け根だけの場合もあります)。下肢の場合、浮腫のある同側の腋の下へ誘導していきます。

1) 最初に全身のリンパ液の流れを良くするために、首の付け根と腹部のマッサージをします。
2) 患肢のリンパ節の代わりになる正常なリンパ節をマッサージして、患肢からリンパ液を流れ易くします。
3) 患肢から正常なリンパ節までの道をつくり、流れの悪くなっているリンパ節に流さないように迂回して、患肢を上から少しずつ押し上げながら、指先までマッサージして行きます。
3) 指先までしてきたら、逆に指先から上へ少しずつ押し上げながら、順に戻って、流れの悪くなっているリンパ節を迂回して、正常なリンパ節まで誘導しながら戻ります。


下肢のセルフマッサージ

@肩の後回し10回
A鎖骨の上のくぼみに手を当て回す10回
B腹部のマッサージ
  1.全体を時計回りに優しくさする2〜3回
  2.左・右の脇腹に手を当て、おへそに向かって引く各10回
  3.腹式呼吸5回

(浮腫のある下肢側)
C腋の下に手を当て回す20回
Dおしりの横側から体側を通り、腋の下まで、軽くさする10回
E下腹部のマッサージ(腋の下に向かって軽くさする)
Fおしりのマッサージ(腋の下に向かって軽くさする)
G脚のマッサージ(軽くさする)各5〜10回
  1.太ももの外側を膝からおしりの横側まで、上に向かって
  2.太ももの前面を内側から外側に向かって
  3.太ももの後面を後側から外側に向かって
  4.膝(前・内側・外側)を上に向かって
  5.膝裏のくぽみを上に向かって10回
  6.すね(前面)を足首から膝まで、上に向かって
  7.ふくらはぎ(後面)を踵から膝裏まで、上に向かって
  8.内・外くるぶしの周囲を上に向かって
  9.足首を動かす(まわす)
  10.足の甲を上に向かって、次に足指を上に向かって
H足指までのマッサージしてきた順を逆にCまで、戻りながらマッサージする
  *皮膚を大きく動かすように
  *ゆっくり、軽く、さする


上肢のセルフマッサージ

@〜Bは下肢に同じ。
C浮腫側の脚のつけ根(リンパ節)に手を当て回す20回
D浮腫側の腋の下から体側を通り、脚のつけ根まで軽くさする10回
E健側の腋の下に手を当て回す20回
F浮腫側の肩から前胸部を通り、健側の腋の下まで軽くさする10回
G浮腫のある上肢のマッサージ(軽くさする)各5〜10回

  1.肩の前・後面を上に向かって
  2.上腕の外側を肘から肩まで上に向かって
  3.上腕の前面を内側から、外側の上方に向かって
  4.上腕の後面を内側から、外側の上方に向かって
  5.肘の内面(くぽみ)を上に向かって10回、次に肘を一ヒに向か一)て
  6.前腕(前・後面)を手首から肘まで、上に向かって
  7.手(手背・手掌)、指を上に向かって
H手指までマッサージしてきた順を逆にCまで、戻りながらマッサージをする




B.機器によるマッサージ

 マッサ−ジの機械として波動マッサ−ジ器(ハドマ−またはメドマ−など)が市販されています。
 これは図のように1→5の順に血圧計のマンシェット(血圧測定のとき腕に巻くもの)と同じように圧をかけていくもので、リンパ液を徐々に中枢部(心臓)へと送っていきます。
 しかしこれらの機器を使う場合にも、手で行うマッサージ同様、リンパ液がそけい部または腋の下のリンパ節の手前で止まってしまうという欠点はあるわけで、そけい部または腋の下のマッサージを忘れてはいけません。これも朝、昼、夕3回、20分〜30分、はじめは弱く徐々に圧を上げていき、痛くない程度でとどめます(40mmHg以下ぐらい)。
 なお、炎症(脚または腕が赤く熱を持っている)がある時は行ってはいけません。

 ■ 実際の方法
1)そけい部または腋の下を心臓の方向へマッサ−ジする。
2)次いで大腿、ふくらはぎ、足、または上腕、前腕、手の順に各部位を心臓の方向へマッサ−ジする。(約15分〜30分)
3)波動マッサ−ジ器(ハドマ−またはメドマ−など)を持っている場合は、1.と共に使用する。
(約30分)