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皮下組織の挫滅
さらにもう一つ忘れてはいけない大切なことがあります。リンパ浮腫では皮下組織が挫滅していますが、上に述べた治療法はその皮下組織を修復するものではないということです。
図を見て下さい。くり返しますが、リンパ浮腫では皮下組織に水分とタンパクが溜まっています。一般的なむくみは水分のみで、水分が皮下組織の弾力繊維のメッシュ内に溜まっても、その弾力でメッシュは水分を追い返してしまいます。すなわち「むくみは治る」のです。しかし、リンパ浮腫の場合はそこにタンパクも入ってきます。タンパクはメッシュを破壊してしまうため、メッシュの弾力はなくなり溜まった水分やタンパクを追い返す事はできません。従って弾性スリーブ・ストッキングで圧を加えてやることが必要となります。すなわち、弾性スリーブ・ストッキングを装着している時だけ良い状態を維持できるわけです。
弾性スリーブ・ストッキングやその他の治療法は決して根本治療ではありません。症状を抑えているだけです。従って、弾性スリーブ・ストッキングの着用は一生必要となります。一生着けていても弾力繊維は再生しませんが、その分皮下組織が固まって膨らみにくく(むくみにくく)はなるでしょう。
このようなことからおわかりでしょうが、一旦太くなったリンパ浮腫の根本治療は「皮下組織の再生」にあります。皮下組織の弾力繊維を再生できれば弾性スリーブ・ストッキングは不要となります。そしてさらには「リンパ管の再生」です。むくみがなければ皮下組織が壊されることもありません。
そのような方法は現在ありません。したがって今できることは、できるだけ皮下組織の弾力繊維の損傷を少なく抑えることです。これはつまり「常にできるだけ細く維持し続けること」で、最も大切なことです。そのためには、挫滅した皮下組織の替わりとなる弾性スリーブ・ストッキングを常に着用していることです。
★現実的な話ですが、人間の皮下組織は「一生物」ですが、弾性スリーブ・ストッキングは「半年物」です。
だから、半年弱毎には弾性スリーブ・ストッキングを新しく替えなければ維持できません。
弾性スリーブ・ストッキングの傷み方は、太い方は早く(2〜3ヶ月のこともあります。)、細い方は長持ちします。
それでも基本的には6ヶ月が限度です。なお、弾性スリーブ・ストッキングは基本的にゴム製品ですから2年くらい放置すると劣化します。輪ゴムをほっとくと硬くなったり切れたりするのと同じです。従って、買いだめしてはいけません。
| 弾性スリーブ・ストッキングが弱くなったかどうかのめやす |
| 1) | 圧が弱いので履きやすくて、スッとはいってしまう |
| 2) | 腕や脚が太くなってくる。 (わかりやすい部位として、腕では前腕部の一番太いところ、脚ではふくらはぎの一番太いところを測定しておき、1cm以上太くなったら有意差です。) |
| 3) | 弾性スリーブ・ストッキングを外してまっすぐ伸ばしてみたら、ズボンの膝の部分が出ているように膨らんでおり、かつ、その部分の布地の網目が粗く、時には毛羽立っている。 |
| 4) | 夕方になると、弾性スリーブ・ストッキングがむくみの圧に負けて膨らんでくるため、重くて硬い感じになってくる。 |
*このようなことがわからなくても、少なくとも6ケ月経ったら交換しましょう。 |
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