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緩和ケア期のむくみは”リンパ浮腫”ではありません。

2018/05/08

 最近、緩和ケア期の浮腫や老人性浮腫、廃用性浮腫や肥満性浮腫までも”一次性(原発性)リンパ浮腫”として診断され、保存的さらには外科手術の対象にされる傾向が多く見られます。結果的に“リンパ浮腫”患者数は極端に増加しているものと思われます。
 ですが、本来、一次性(原発性)リンパ浮腫とは先天的な要因で発症するものとされており、”This derangement arises either from congenital lymphatic dysplasia (primary lymphedema) or anatomical obliteration, such as after radical operative dissection, irradiation, or from repeated lymphangitis with lymphangiosclerosis (secondary lymphedema) ・・・” (The diagnosis and Treatment of Peripheral Lymphedema.  Consensus Document of the International Society of Lymphology. Lymphology Vol.46 No.1 March,2013)と定義されています。したがって、歳を取ってから後天的な原因でむくむものは一次性(原発性)リンパ浮腫とは呼べません。
 当然ながら、歳を取ってから先天的な原因で病気が発症することは通常考えにくいわけで、一次性(原発性)リンパ浮腫は洋書では“relatively rare(比較的稀)”(A Primer on Lymphedema 2002)と表現されていますが、日本国内では”(一次性リンパ浮腫は)発症時期は30歳代までの発症が多く、40、50歳代で減少するが60歳代で再び増加する。発症時期による分類では、先天性9%、早発性42%、遅発性49%”との記載が見られるなど、大きな誤りが広まっています。
 問題は、このような緩和ケア期の浮腫やいわゆる老人性浮腫などに対してリンパ浮腫の治療を行っても治療成績は悪く、むしろ患者さんに大きな負担をかけてしまうことです。正しい診断の下に治療される事が大変重要と考えます。僭越ながら、関係する医療者の方々におかれましても、ぜひ改めてご一考頂きたく、お願い申し上げる次第です。
 

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