リンパ浮腫の異なる面からの考え方

 幾分違う側面からリンパ浮腫の治療を考えてみます。
図のように皮下組織では、水分やタンパクは毛細血管の動脈側から出てきて、水分は静脈側に、タンパクはリンパ管に入ります。これは例えると動脈という蛇口から出てきた体液(水分+タンパク)が血管外皮下組織という洗面台に溜まり、静脈とリンパ管という排水管から排水される仕組みです。ここで排水がうまくいかずに、血管外皮下組織に体液が溜まってしまったのがむくみです。当然、むくみの治療はこの体液を排除することです。
すなわち、まず静脈とリンパ管への流れを良くすることを行います。これが挙上、マッサージなどです。そして次に、もう体液が溜まらないように、むくみのために広がってしまった血管外皮下組織のスペースを、元の狭い状態に戻して保つようにします。これが弾性スリーブ・ストッキングなどです。この弾性スリーブ・ストッキングは着けて体を動かしているうちに静脈やリンパ管を刺激してマッサージ効果も得られます。

 ここで注意したいのは、このような一般的なリンパ浮腫の治療は、すべて静脈側に関する方法であるということです。つまり、動脈側からの流出量は一定である、と仮定しているのです。ですが、このように考えるとおわかりでしょうが、もし動脈側から出てくる量が多ければ、どんなに頑張って排水しても溜まる一方です。この最も典型的な例が炎症、つまり蜂窩織炎です。炎症があると次々に水が溜まってくるので、よほど本気で排水しないとむくみは減りません。蛇口を一杯に開けて水を出しっ放しにしておいて、洗面台の水をなくそうとしているようなものです。こんな時はまず蛇口を閉めること。そうすれば徐々に排水できてきます。
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